昨夜は渋谷のイメージフォーラムにPhotographers in NEW YORKを観た。

この作品は日々景色や文化、人々が変化し続けるニューヨークにて常にストリートの最前線にてシャッターを切り続けてきた15人のストリートフォトグラファーを追ったドキュメンタリー映画。

 

被写体・テーマ、ポリシーはそれぞれ。街中の人々をとる写真家もいれば、ギャングに密着する写真家、警察官・消防士に密着する写真家などそれぞれ。被写体に了承を得てから撮る紳士な者もいれば、断りもなく撮って殴られるような少々不躾な者もいる。

彼らに共通するのは2つだけ。ニューヨークのストリートに魅了されたと言うこと。そして彼らは皆、長年の中で培ってきた強いプロフェッショナリズムを持っているということ。

そんな彼らへのインタビューから出てくる数々の金言、そして彼らの作品らは写真好きにはたまらない。サブカルチャーやアングラが好きな人もきっと魅了される作品だ。

鑑賞しながらだったので正確な引用ではないが、いくつか心に残った言葉を紹介したい。

私のテーマはありふれたものなんだ。

それらはすぐに消えてしまう。

だから私は写真にそれらを保存するんだ。

 

俺はニューヨークの地下鉄で10秒間の恋をしたことがある。

だが彼女らとはそれっきり、二度と会うこともなかったよ。

 

なぜ僕はこの被写体を撮ろうと思ったのか、

なぜこの仕草を撮りたくなったのか、

それを考えると自分を理解することに繋がるんだ。

 

私の作品はポーズをとったものが多いとよく批判される。だがそれは私は被写体に敬意を持って接し、了解の上で撮っているからだ。だから私は撮られた彼らが笑顔で写っているのをみると嬉しくなるんだ。

 

iPhoneのようなスマートデバイスの登場により、誰もが決定的な瞬間を抑えることができる写真家となった今、もしかしたら彼らのようなドキュメンタリー写真家は不要なのではないかぐらいに思っていた。だが常にストリートにアンテナを張り続け、リアルを発信し続ける彼らに敬意を表して考えを改め直さねばと思った。