日本を代表する詩人・高村光太郎氏の詩集。
著者の作品は何度か詩集を手に取ったことはあるものの借りたりだとか。
購入したのは今回が初めて。以前から興味は持っていた。
きっかけはMITメディアラボ副所長・石井裕教授の講演を聞いてから。(彼のプレゼンはとにかく猛烈なのでぜひ一度Youtubeで見ていただきたい。)
高村光太郎氏は詩人にありがちな決して満たされた人生ではなかった。父親は著名な彫刻家で、光太郎氏もその道を歩むこととなる。
詩集は3年間のヨーロッパ留学から帰国した際の日本人に対する心象を描いた作品”根付の国”から始まる。
彼は新たな価値観を得た際に生まれる、自身が支持してきた従来の価値観に対して潔いほどに捨て去ることができる。日本人、日本の彫刻、戦争思想。
それらのはけ口として詩があることがしばしばあったであろう。
はけ口であったから言葉のレトリックにこだわらず率直な言葉で描いたのだろう。
僕のお気に入りは”道程”、”火星が出ている”、”激動するもの”…..挙げるとキリがない、大好きな作家だ。