大手消費財メーカーが引き起こした健康被害を内部告発した元セールスマンを描いたノンフィクション作品。


 

1994年、パキスタンで国産の医薬品のセールスマンをしていたアヤンは、国産に対する信用のなさから業績が伸びず苦しい生活をしていた。売れない薬を持って病院を渡り歩く日々の中、世界最大級の消費財メーカー”ラスタ”の営業職の求人を知る。家族の応援もあり無事に転職を果たしたアヤンは敏腕営業マンとして粉ミルクを多くの病院に売り込んでいた。

しかし貧困にあえぎ、十分なインフラが整っていないパキスタンでは適切に粉ミルクが口にされるのは難しかった。不衛生な水で溶かした粉ミルクを口にした子どもたちが脱水症状で苦しみ、亡くなっているという事実を知る。

その事実を会社に報告するも取り合ってくれない。そしてアヤンは職を辞し、周囲の応援を背にWHOに内部告発をする。世界最大級のグローバル企業と一端の元営業マンの戦いを描いている。


この映画は実際にネスレのスキャンダルを題材に描かれています。内部告発をした男性アヤンに事件後、このスキャンダルを映画にする前提で取材をしながら何が起きていたかを振り返っていくというドキュメンタリータッチの作品です。

ネスレは1970年代に母乳育児の低下の背景に粉ミルクメーカーによるマーケティング戦略があるとし、ネスレボイコットという社会的批判に晒されたことがあります。その後、母乳代替用品のマーケティング規制について記したWHOコードが発表されるほどの事態となったほどです。

しかし今回の映画で描かれているのはその後の出来事であり、これはNestleも認めていないんじゃないでしょうか…ちなみになぜネスレと断言できるかというと、映画内ではっきりとネスレの社名が出てきているからです。

本作品が完成したのは2014年。そして2017年の3月4日、日本で初めて封を切られることとなりました。公開初日に観に行ったのですが、予定していた監督によるトークイベントも急遽来日中止になったりで残念でした。

 

汚れたミルク-あるセールスマンの告発- HP