NHKのクロ現取材班によるネット広告にはびこるアドフラウドを取材したルポ。
インターネット広告費は2018年で1兆7589億円。4マスと呼ばれてきたマスメディアの頂点、地上波テレビの1兆7848億円に肉薄している。
急成長を続けるインターネット広告。その背後にある不正プログラムによってPV数やインプレッションなどによって広告運用の指標を水増しし、不当に稼ぐアドフラウが問題とされていた。
もっとも注目をされたのが漫画村。
そこに長く取材をしていたNHKのクロ現取材班。そのルポがまぁ仔細なこと。
そもそもアドフラウを生み出しているのは運用型広告の複雑な構造だ。
例えば配信には下記のような流れがある
広告主▷代理店▷広告配信事業者▷アドネットワーク
このアドネットワークも主要なGoogleやYahooが運用するもの以外に様々な事業者によって組織されたものがある。それらが相互乗り入れする東京の路線のような具合に噛み合い、そして大きなアドネットワークをなしている。
そこで広告の孫請けのようなアドネットワーク内のサイト運用者やアフィリエイターが悪さをしているのが現状。
実際それに悩まされている代理店や配信事業者の声もきちんと撮ってあるのが本書。
技術的なところもとても噛み砕いているのでネット技術に関して初学者でもどのようなことが起きているのかわかりやすく書かれている。