著者によるプレジデント誌での連載「日本のカラクリ」を加筆修正して編纂されたビジネス書。

毎年発刊されており、その一年間がどうであったかを振り返るためにも毎年購入している本書。「今年はこんなことがあったなぁ」と振り返りのためにもさることながら、大前さんらしいユニークな切り口で読み解いており、時事問題を理解するにもオススメの一冊です。

本年は冒頭で世界の動向について”右傾化”と”反知性主義の台頭”に触れていました。正直に申し上げて、どこのメディアでも取り上げていることで当たり障りないといえば当たり障りないことです。ですが、トランプ旋風もBREXIT、欧州の極右政党の台頭もどれも右傾化とそこから生じる保護主義に通じる動きです。

個人的にユニークだったもの2015年の郵政3社の同時上場、メルケル首相のリーダーシップに関するコラムです。

郵政3社(日本郵便、かんぽ生命、ゆうちょ銀行)はそれぞれのビジネスモデルは国のお膝元であったから成り立っていたもので将来性を危惧しています。いずれも物流・生命保険・金融として他者をベンチマークとしておいた時に優位性もなく、単一事業としてスケールさせる力がないとのこと。

またメルケル首相のリーダーシップについてバックグラウンドや外交能力に関して記されており、難航しているEU体制の船頭としてどのような人物かがわかります。

 

一年間の振り返りにも是非、オススメしたい一冊です。