故・白州正子氏による、日本の工芸と作り手について記したエッセイ集。
日本津々浦々に工芸品があり、その中でも逸品を作る名工は一握り。
そんな彼らは決して皆が脚光を浴びるわけではない。彼らの情報はウェブはおろか、雑誌にだって取り上げられない。
だから白州さんだからこそかける文章だろう。
文字で脳裏に再現される工芸品はいずれも絹のようにきめ細かく、ガラスのように繊細なものだ。それを丁寧に手に取り、鑑賞するごとく臨場感のあるエッセイが連なっている。
美しいものをきちんと美しく文字で表現したい、そんな人にとって大いに教科書になるだろう。