日本を代表する哲学者や教養主義の研究者による、現代の教養主義を巡る対談集。著者は大澤聡氏、対談相手は鷲田清一氏、竹内洋氏、吉見俊哉氏。

 

教養主義はブームというよりバブルだ。とは言っても、教養という言葉がいささか乱用されている。「社会を生きる上で身につけなくてはならない事柄」みたいになってるんだけど本来的な意味を捉えると「自由になるための技法(Liberal arts)」だ。本書でもそこは指摘されている。

 

では日本では大正教養主義であったり、昭和教養主義と時代を変遷して求められる教養や思想は変わっている。そこをさらいつつ、では現代の時代に求められるのは??ってことは対談形式で模索する。

この本がわざわざ対談形式にしてあることは、著者が「対話的教養」を提唱しており、その実践なんだそうだ。対話的教養というのが、網羅した知識を持つことで会話に出てくる物事をまた別の事柄と関連性を持たせて広げるという教養のあり方だ。

ただ僕の邪推なんだけども、この対談形式にしてあるのは教養の使い所を示すためではなかろうか。本書のタイトルは「教養主義のリハビリテーション」。多分こうして教養を使うんだよってのを読者に示し、教養の再興を意図したものかなと。