森見登美彦氏による短編小説集。
京都での学生時代、英会話スクールで知り合った6人。久しく会っていなかった6人が鞍谷の火祭りで10年ぶりに集まる。そこで主人公が口にしたのは、10年前に鞍谷の火祭りで突如失踪した仲間の1人、”長谷川さん”。そしてそれぞれが旅先での不思議な体験を話し出す。そして共通する「夜行」という絵画の存在。
絵画というひとつのアイテムが物語を繋げているだけでなく、ストーリー全体に奥行きを与えています。そしてそれぞれの短編が結末を告げずに終えられているところがまた奇妙な雰囲気を醸し出しています。それぞれのシーンはどこにでもある情景なのですが非日常にする森見登美彦氏の作風はさすがです。
装画のゆうこ氏の絵も世界観ととてもマッチしていました。
2016年下半期の直木賞候補にノミネートされています。受賞されることを切に願っています。
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