現在オックスフォード大学の名誉フェローを務める動物行動学・進化生物学の権威。
本著は氏が35歳の時に書き上げた本だが今でも遺伝学の礎となっている。
生物は種を保存するために生存競争を行なっていると考えられていた。
だが氏はその考えを改め、種ではなく遺伝子保存のために生存競争を行なっていると示した。
その事例として動物行動学のケースを引き合いに出すが、それらを遺伝子間でのゲーム理論による生存競争として鮮やかに解いている。
ちなみに氏はダーウィンの種の起源を否定するのではなく、新たに読み解いているとしている。
今ではこの利己的な遺伝子を礎にした研究も多い。ハーバート・サイモンもその1人だ。
かなりボリュームがあるが、経済学や心理学、生物学や動物行動学などあらゆる視点から考察を得られる名著。