サウナは、フィンランドにとって国を代表する文化となっているのは承前のこと。
だけども、それが一般化する昨今に到るまでにその文化を支えてきた公衆サウナはあまり知られていない。そんな公衆サウナのことを深く掘ったのがこちらの本。
今でこそ街中に公衆サウナがあるフィンランドなんだけども、その歴史は決して順風満帆ではない。
衰退の一途を辿っていた時に突き動かしたのは人々の熱意と、新たな価値を見出した創造性。
この本は「フィンランドの公衆サウナについての本」ではあるんだけども、じゃあ本屋のどこの本棚に置かれるべきかはとても悩ましい。
海外の観光にまつわる本棚に置くというが定石なんだろうけども、デザインという文脈でもいい。デザインもコミュニティデザイン分野でもいいし、建築分野でも構わない。
もちろん幅広く人文学系社会学系でもいい。もともと修論を端に発している書籍だから。
読む人にとって何を得るかは様々だと思う。
装丁がとても丁寧だと思い、見てみると佐野研二郎さん。
とても勉強になる一冊でした。