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不埒な人たち(著:ヤロスラフ・ハシュク)を読んだって話。


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チェコの稀代の名作家、ヤロスラフ・ハシュクによる短編集。翻訳はチェコ文学の第一人者・飯島周先生。

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彼はとても面白いキャリアを歩んでいる。1898年にプラハの薬種店に奉公した後、99年商業高校に入学。その頃から彼の作家としてのキャリアが始まった。その後卒業し1902年にスラーヴィエ銀行に勤めるが無断欠勤が続き1年ほどで退職。その後放浪生活を送りながら、時には無政府主義運動に参加したり、時には第1次世界大戦に招集されるも軍から脱走。ロシアではトルコ軍に参加したり赤軍への転向など政治的に様々な運動を見せた。その後も彼は作家活動を続け、百を超えるペンネームを用い、注文されれば何でも書く。そして注文されなくても何でも書くそういった具合で飲み屋に座り込んで作品を書きまくった。1923年に39歳で亡くなるまでに確認されただけで千数百の短編を残した。その多くはフモレスカと呼ばれる世間を皮肉るユーモア短編であった。 カフカやチャペックと並びチェコを代表する作家の一人である彼。

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「正真正銘の見世物興行」これはまさしくサザエさん bot が展開したブラックボックス展そのものだ。 そして「卵を柔らかく茹でる方法」これもまたトンチが効いてまるで落語を読んでいるよかのようである。 「人生のための忠告」これはまぁ確かに金言ばかりではあるがその言葉が生まれるに至る理由がなんともなんとも愉快だ。 さて作品の中では検閲により削除されているものすらもある。これも時代なのだろう。

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クリエイターとして作らざるを得なかった彼にただただ敬意を表する。 辛い人生であったかもしれないが彼はただただ書き続けた。 それだけの貪欲さを持たねばならないと作品を通して考えさせてくれた。

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