アメリカの哲学者、ウィリアム・ジェームズによる講義記録をまとめた新書。

“Pragmatism”の語源は英語のPractice(実際)、Practical(実際的)と同様に、ギリシャ語のプラグマ(行動)から由来しています。プラグマティズムというのは端的にいうと、「論理的で現実的な結果を考え出し、それに基づいて帰納的に行動すべき」という考えと僕はざっくり要約します。そしてこの思想において重要なことは余計な制約に縛られず、賢明な思考をすること。これは宗教と相反するようなものですがウィリアムズ自身は本著において反論を展開しています。この思想に基づいた思考において、一元的なものの見方は排除し、多元的な視座が重要ということです。

この思想はアメリカ発祥の哲学としては祖とされています。世界最大の移民受け入れ国家であるアメリカででは確かに必要な思想かもしれません。オバマ大統領がトランプ次期大統領と対談した際に、”He is pragmatic.”と評していましたが、この点もプラグマティズムと紐づけて考えれば、トランプ氏はアメリカのリーダーシップを取る上で必要な要素の1つを持っていると言えるのかもしれません。

実存主義に共感を覚える人はきっと好きな思想だと思います。

まだ理解が及び切れていない点、誤った理解の点も多々ありそうなのでまた時間を置いて読み直したいです。