タコの身心問題(著:ピーター・ゴドフリー=スミス)を読んだって話
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シドニー大学科学史・科学哲学スクールにて教鞭をとる著者。彼によるタコの知性を紐解く著書。
\n\n\n\n一時期Twitterで一部界隈で話題になった、本著。購入したものの積読5年を経てやっと読了。
\n\n\n\n著者は哲学領域の学者。研究のテーマとして「精神と物質の関係」であり、感覚・知性・認識といったものが果たして物質からどのように発生するのかに哲学的アプローチで取り組まれてきた。
その中で頭足類、その中でタコに関心を持つ。
頭足類は6億年前に脊椎を持つ私たちと枝分かれをしたが元は同じ系譜にあるが身体構造は大きく異なる。頭部だけでなく脚部にも分散した神経を持ち、いわば全身が脳のような構造を持つ。それだけで彼らの世界は大きく違うのだろう。
\n\n\n\nだが大きな知性を持つ。タコの目や身体はディスプレイとして他のタコとコミュニケーションを図る。また同性のタコ同士が争う際には縄張り争いだけでなく、じゃれあいなど程度も様々だ。
\n\n\n\nそんなタコの社会性も本著ではオーストラリアのタコの楽園・オクトポリスを引き合いに示されている。
\n\n\n\n人間にとって大いなる他者であるが通ずる知性などから人間について思いを馳せるには最適な一冊である。
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